漢方治療について

更新日:5月24日

漢方治療に必要な期間の目安 漢方治療に必要な期間は目安としては1〜2ヶ月です。 具体的な期間は症状や使う漢方によって様々なので申し上げるのは難しいですが、1〜2ヶ月を目安に継続するか変更・中止するかを判断します。

西洋医学のお薬との違い

漢方での見方では、病名でお薬を決めません。一人ひとり体質や生命の質は異なっており、病に対するからだの反応パターンも様々と考えます。結果として出てくる症状が同じでも、それぞれの人の体質や病気に対する反応性などを検討し、治療の方針を個別に考える立場をとります。このため、基本的には病名に対して決まった処方が対応するわけではなく、あくまでそのひと個人の状態に最も適切な治療を考えることになります。 複数の症状に対応できます

たとえば頭痛と嘔気、胃のあたりの冷え、下痢など、複数の症状に対して一つの漢方処方で対応できることがあります。 頭痛薬・吐き気止め・胃薬・下痢止めのように、効果別に複数の薬を使わずに済むメリットがあります。西洋医学の考え方では、症状を原因別に分解していき、それぞれに対処することになる傾向がありますが、漢方ではこころとからだの状態を含めた全体をひとつのパターンとしてとらえ、改善していこうという概念があるためです。

治療の流れ 漢方的な診察法「四診(ししん)」を用いて診察していきます。 ※症状の経過(いつごろからどんな症状があったかなど)の問診に加えて、舌の状態や脈の質、お腹の緊張や圧痛の有無などでからだの状態を判断します。 「四診」は、漢方治療の基本であり、すべての五感を駆使することによって診断を行っていきます。 1. 望診 目で見て情報を得る診察法のことです。顔色や皮膚の状態(色など)、舌の観察(舌診)など患者さん全体を見たときの印象を漢方の見方で解釈します。 舌の状態を見る「舌診」は有用で、具体的には以下のようなことを見ます。

  • コケ状のもの(舌苔)の状態

  • 大きさ

  • 形態

  • 乾湿

  • 歯型が舌に残っているか

2. 問診 様々な状態を問うことで、病院や薬局で行われているような診察や聞き取りと共通しますが、漢方特有の自覚症状についてもお聞きします。 主に以下のような事を聞き取りします。他にも、季節や時間帯による症状の変化、冷えや口渇の有無など、さまざまな情報をもとに判断をします。

  • 主訴

  • 自覚症状

  • 体質

  • 家族歴

  • 現病歴・既病歴

  • 生活状態

3. 聞診 聴覚と嗅覚を使った診察です。声の様子、分泌物や口臭の有無などが参考になる場合があります。 4. 切診 直接手で触れることによる診察のことです。主に脈(脈診)やお腹に触れ(腹診)、抵抗感(押した時に押し返す力など)や圧痛(押した時に痛みがないか)などをみます。症状のある部位に触れることもあります。漢方治療においては次にご紹介する気血水のバランスや状態、五臓の状態、病気とからだの反応との関係(虚実)など、独自の基準・ものさしで心身の状態を評価しています。


気血水 漢方では、人の生命のバランス・心身の状態を「気血水」という3つの要素で表現します。「気」とは形のないエネルギーで、からだを動かし、あたため、守る働きがあります。元気の気と考えると分かりやすいでしょう。人に気を遣ってしまう、といった日常的な慣用句にも使われており、実は身近かもしれません。

「血」とは赤い色をした液体で、体を滋養する働きがあります。 この働きが低下すると、頭がぼんやりしたり、動悸、疲れやすさ、目の下にクマができやすい、貧血に近い症状などがでることがあります。現代の「血液」という概念とは異なるので、病院で貧血ではないと言われる場合でも漢方では治療の手段があります。 「水」とは文字通り水の要素と考えてよいでしょう。 からだの水が滞る状態を水滞(すいたい)と呼びますが、めまい、からだが重い、顔や足などがむくみやすい、のどが渇きやすい、汗をかきやすいなどの症状と関係します。あるべき正しい水のバランスを取り戻す方向で治療をすることで症状の改善を目指します。 五臓(肝・心・脾・肺・腎) 漢方で考える臓器の働きは、現代的な見方とは異なり、かなり独特なものです。例えば、肝は精神の活動を安定させる働きがあるとされ、肝の機能が低下すると、怒りやすくなったり、神経過敏、不安などの症状が出ることがあります。これは現代医学的な肝機能異常とは別の話なので、少しわかりにくいかもしれません。漢方の見方では主な臓器である五臓の働きは次のようになります。 肝:精神安定、新陳代謝、血を貯蔵、筋緊張の調節 心:意識、睡眠リズム、血の循環 脾:消化吸収、気の生成 肺:気の摂取、血と水の生成、皮膚機能と防衛 腎:成長発育、生殖、骨と歯の維持、耳の働き、集中力 虚実 そのときの病気の勢いと、それに対するからだの防衛反応の強さを表したもので、「実証」と「虚証」があります。 「実証」とは病気の勢いに抵抗するからだの反応が強い状態を、「虚証」とは弱い状態をそれぞれ表します。 具体的には、「実証」では汗が出ず、体力があり、便秘傾向となることが多いです。この場合、汗を発散させたり、便を下す生薬を含んだ処方が役立ちます。 一方、「虚証」では汗が出て、体力がなく、冷えていて下痢傾向になることが多いです。この場合は、からだの表面を守る気の働きを助け、消化機能を高める生薬を含んだ処方が有効になります。

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