高濃度ビタミンとがん治療

更新日:7月7日

高濃度ビタミンC点滴とは

ビタミンCは身体をつくるのに欠かせない栄養素です。健康な血管や美肌、活性酸素に負けないようにする等、様々な効果があります。なんとなく健康に良さそう、という理由でビタミンCのサプリメントを飲んでいる人も多いでしょう。高濃度ビタミンC点滴は、12.5gほどのビタミンCを含む液体を点滴で静脈(血管)に流し込む療法です。ビタミンCを多く含む食材の代表格であるレモンですら1個のビタミンCの量は20mgです。1mgは0.001gなので、12.5gのビタミンCはレモン625個分に相当します。高濃度ビタミンC点滴で使う液剤は薬ではありません。ただ、高濃度ビタミンC点滴は点滴で投与することに意味があり、人の体に針を刺す点滴を行うことができるのはクリニックなどの医療機関だけなので医療機関でのみ受けられます。

なぜ点滴を使うのかというと、シンプルに点滴で投与することによって成分の効果が高まると考えられるているためです。飲み薬やサプリメントなどの成分は、腸で吸収されてから血管に流れ、血液にのって必要な場所に運ばれます。ビタミンCは水溶性なので、多く摂っても余剰分は尿として排出されます。そのため、ビタミンCを大量に経口摂取しても、血中濃度はある一定以上から上がりません。しかし点滴なら、有効成分を直接血液に含ませることができます。救急医療などで点滴が使われるのは、成分の効果を即効で出したいからです。


がん治療としての高濃度ビタミンC点滴

がん治療を目的とした高濃度ビタミンC点滴の際 通常50~100gのビタミンCが使用されます。50g以上を「超高濃度ビタミンC点滴療法」と呼ばれる場合があります。

血中ビタミンC濃度を点滴によって一定以上上昇させ、過酸化水素を生成、正常細胞に影響を与えずに癌細胞の核濃縮・細胞死を誘導することを目的とします。1970年代、ビタミンCの投与が末期進行がんの患者の生存期間を4.2倍から6倍も延長することが医学誌に発表されました。さらに2005年にアメリカの国立健康研究所、国立がん研究所、国立食品医薬品局の科学者たちは「高濃度のビタミンCはがん細胞を殺す」という共同論文をアメリカ科学アカデミー紀要誌に発表しています。これをきっかけに、アメリカの大学病院を中心に高濃度ビタミンC点滴療法が、がんの補助療法として研究と普及が始まりました。2007年から日本でも徐々にがん治療の選択肢として導入されるようになったのです。現在ではアメリカを筆頭に、カナダ、日本などの大学病院でがん患者を対象にした高濃度ビタミンC点滴療法の臨床試験が30以上も進められ、論文も数多く発表されています。これまでの論文から、高濃度ビタミンC療法が、がん患者の痛み、倦怠感、食欲低下、不眠などの症状を改善し、生活の質を維持することがわかりました。また、単独あるいは他の治療との併用でがんの進行の停止や腫瘍の縮小例の報告もあります。何よりも高濃度ビタミンC点滴療法では化学療法のような辛い副作用が殆どないことはがメリットであり、全てのがんの基本治療の一つとして推奨しています。


高濃度ビタミンC点滴の副作用

重い副作用は特になく、点滴治療全般に言えるような、点滴刺入部に局所的な痛みを感じることがあります。また、のどが渇きや筋肉のしびれやけいれん、低血糖になることがまれに起こります。そのような症状が起きたら医師にご相談ください。

※がんの自費治療としての高濃度ビタミンC点滴は、確定申告の際に医療費控除として申請ができます。領収書を保管ください。(美容目的の場合は対象外です)

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