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普通の健康診断と「がん検診」の違い


年に1度、定期的に職場や学校、医療機関などで健康診断を受診していると思います。一般的な健診では、身体に異常がないかどうかを調べます。それに対し、一部の職場健診や「がん検診」のように、特定の病気に絞って調べる「検診」もあります。近年、がんは早期発見できれば十分治療できる病気になってきました。ただ、がんの早期発見のために、がん検診を受けるメリットについて解説していきます。


「健診」と「検診」の違いとは

同じ「けんしん」という読みでも、漢字が違っていることを知っていましたか?

漢字が違っていることには意味があります。健康診断(=健診)は、健康に問題がないかどうか調べる目的で行われます。今何らかの病気を発症していないか、今後何らかの病気を発症するリスク因子があるか、を確かめるためのものです。

これに対して「検診」は、ある特定の病気にかかっているかどうかを調べる目的で実施されます。

「がん検診」の中にも胃がん検診、肺がん検診、子宮頸がん検診などと細分化されています。これは、細分化することでより正確に対象のがんを診断できるようにするためです。

がん検診には「対策型検診」と「任意型検診」の2種類があります。


①対策型:会社全体、自治体全体など「その集団全体」でのがんの死亡率を下げるためのもので、公共的な予防対策として行われます。

②任意型:人間ドックなどで個人が自主的にがんの死亡リスクを下げるためのもの。検診方法の選択、精度管理などの課題がありますが、個々の受診者への対応が可能となる利点もあります。


健康診断だけでは「がん」は発見されないのか?

健康診断では、あくまでその時健康であるかどうか、病気になる明らかなリスクがないかどうか調べる検査です。ごく初期状態でまだ症状の出ていないがんなどは見落としてしまうこともあるため、早期発見して治癒率を挙げるためには「がん検診」の受診が不可欠です。

がん検診によって「自覚症状がないごく初期のがん」を発見できる可能性がかなり高くなります。また、子宮頸部や大腸などのがん検診では「がんになる前の病変」を発見できることもあり、がん化する前に治療を始められます。中には自覚症状がなく、発見しにくい肝臓のがんのように、症状が出始めた頃にはがんが進行し、手遅れになってしまっていることも。がんは発見が早ければ早いほど治療にかかる費用や体への負担も少なくて済みますので、定期的な「がん検診」は必ず受診しましょう。


まとめ

がんの早期発見のためには、「症状が出てから」ではなく「症状が出るより前」に検査を行う必要があります。特に子宮がん、卵巣がんなど女性特有のがんは、がん検診のほかに別の疾病の検査で発見されることが多くあります。症状が出ていないからといって油断をせず、市町村や職場、人間ドックなどを利用しながら定期的に「がん検診」を受け、がんの早期発見に備えるようにしましょう。

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