生活習慣病の中でもアジア・中東・アフリカ地域での糖尿病患者が増加傾向にあります。
国際糖尿病連合(International Diabetes Federationが発表したIDF糖尿病アトラス第10版では、2021年時点での糖尿病人口が地域別に発表されました。世界を7地域に分けた統計値によると、日本が含まれる「西太平洋地域」は、世界で最も糖尿病人口が多い地域であり、日本も世界9位の糖尿病大国と報告されました。
2021年の世界の糖尿病患者数は5億3,700万人で、10人に1人が糖尿病を患っていることになり、このまま進行していけば、2030年には6億4,300万人、2045年までには7億8,300万人に達する見込みとなっています。アジア・中東・アフリカ地域の糖尿病患者数は、2045年には世界全体の77%を占めると予測されています。この地域でそうなった原因は、経済成長によって中間層が増えたことにより、欧米式食生活への変化や運動不足によるものです。日本人を含むアジア人は、欧米人と比較すると「痩せている」と感じられる人もいると思います。アジア諸国においては、”遺伝的要因”で2型糖尿病を発症しやすい傾向にあります。しかし、すべてが遺伝で決まるわけではありません。先ほど述べた通り、運動不足や食生活などの”環境的要因”も関係しています。例えば両親がともに糖尿病である場合、子どもが糖尿病を発症してしまう確率は65歳までに40~50%の確率とされています。これは一般の集団の約5倍。2型糖尿病においては、55%が遺伝、45%が環境で決まるという報告もあります。
尿病患者が長期的に良好な血糖値を維持するには、生活習慣の改善や運動、食事療法に加えてインスリン療法で、血糖値のコントロールが重要なことは言うまでもありません。
将来急増することが予測されている糖尿病ですが、その勢いを食い止めるために、医療機関はただ黙っているわけではありません。研究・開発が進められており、その技術を実用化していくために水面下で動いています。技術が飛躍的に発展し、実際に実用化されれば、生活習慣病の予防やケアも全く新しい進化を遂げていくことが期待できます。日常生活を送っているだけでケアがなされ健康が守られるようになる未来が来るかもしれませんね。
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