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花粉症対策におすすめの漢方5選

1月もそろそろ終わりを迎え、春の陽気が待ち遠しくなりました。寒さが和らぐと同時に花粉症の季節もやってきます。


春の花粉症で代表的なスギ・ヒノキなどの花粉はのほかにも、中国大陸からやって来る黄砂やPM2.5、家に潜むダニやホコリなどのハウスダスト、ペットの毛など、鼻炎をひき起こす原因となるアレルゲンは日常にたくさん潜んでいます。

くしゃみ、鼻水、鼻づまりは人によっては日常生活に支障を来たすレベルで辛い症状が続くと聞きます。また、なかなか治らず悪化するケースも多く、年々鼻炎に悩まされる方が多いのではないでしょうか?


○日本人は5人に2人が花粉症!?

環境省から出ている花粉症環境保健マニュアルでは、花粉症を有する人数に正確なところは分かっていないとしつつ、以下のように明言されています。


『2019年 には38.8%でほぼ3人に1人がスギ花粉症と推定されています。スギ花粉症以外のイネ科 やブタクサ花粉症も増加しており、2019年には25.1%になっていました。

いかに花粉症でお悩みの方が多いのかがわかります。まさに国民病と言っても過言ではありません。

(中略)

2019年の全国疫学調査によると、年齢層別有病率はスギ花粉症では10代から50代で 45%以上と高くなっており、この年齢層ではスギ以外の花粉症の有病率も30%前後と高く なっています。』

引用元:環境省「花粉症環境保健マニュアル」2022(https://www.env.go.jp/chemi/anzen/kafun/2022_full.pdf)


代表的なスギ花粉のほかに、3月〜5月のヒノキ、4月~10月のイネ科、さらに8月~1月にかけてのブタクサやヨモギなど、一年を通して花粉は飛散しており、日々花粉症でお悩みの方も多いです。花粉以外の要因も合併した結果、「慢性鼻炎」、「副鼻腔炎」「蓄膿症」などの重症化していくケースも。


では、実際に花粉症の治療としてどういった治療があるのかお伝えしていきます。

花粉症の治療として薬物療法、手術治療、抗原特異的免疫療法などがあります。

実際のところ、手術治療、減感作療法では治療に長い期間がかかってしまいます。完治の可能な治療法は抗原特異的免疫療法ですが、現在の治療法では、完治する率は決して高くありません。副作用の問題もある治療となります。現在新しい治療の研究が進められている状況です。

薬物療法でも、抗アレルギー薬などでは服用後に眠気や口腔内の乾燥が出ることがあります。薬物療法の中で漢方薬の場合は花粉症の症状を改善させつつ、副作用が出ないと言われています。


○体質に合った漢方薬で花粉症対策

そもそも、漢方の考え方には、「正気(免疫)が身体の中に十分あれば、外部の邪(花粉など)は体内に入れない」と言う考え方があります。身体の正気が弱まると、気候や季節の変化に順応できず体調を崩しやすくなる=身体からのSOSととらえ、根本から原因を考え、改善していきます。今出ている症状を軽減するほかに、花粉症に対する免疫を高める体づくりをすることが予防や再発防止には重要となります。


漢方薬は体質や生活習慣、症状に応じて約200種類から選定していくことができるので、本格的に漢方薬で治療していきたい方には専門店で処方してもらうことをオススメします。

次に花粉症対策として代表的な漢方薬をご紹介していきます。


○眠くならない!花粉症対策の漢方薬

①小青竜湯(しょうせいりゅうとう)

花粉症治療における代表的な漢方薬に小青竜湯があります。気管支や肺の水滞(水分バランスの異常)を改善するとされ、水っぽい痰や鼻水、くしゃみ、咳などの改善に効果が期待できます。また、花粉症以外に、鼻炎、アレルギー性鼻炎、風邪、気管支炎、気管支喘息などの治療の際にも使われることがあります。


ただし、小青竜湯には麻黄が含まれています。麻黄は心臓を刺激するため、高血圧、狭心症、不整脈といった持病がある方などは注意が必要といわれています。そのため、高齢者には使わず、若年者向きとされています。


②苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにとう)

小青竜湯と同じく肺の水滞を改善するとされており、痰の多い咳の改善に効果が期待できます。


また、気管支炎や気管支喘息などの治療の際に使われることもあります。麻黄を含まないため、麻黄が使えない人や高齢者でも使いやすい点も特徴です。


③越婢加朮湯(えっぴかじゅつとう)

水滞の改善に期待ができ、結膜炎を合併しているときに使うことが多いです。そのほか、腎炎や関節リウマチ、湿疹など、さまざまな病気の治療の際に使われることがあります。

また、麻黄が多く含まれているため若年者向きとされています。


④麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう

身体を温める作用があり、冷えや悪寒があるときに適しているとされる、高齢者向きの漢方薬です。

花粉症だけでなく、アレルギー性鼻炎、風邪、気管支炎、気管支喘息などの治療に使われることもあります。


⑤当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)

冷えやむくみなどの改善が期待できる漢方薬です。花粉症のほか、貧血や倦怠感、更年期障害、月経不順、妊娠中の諸症状などの改善に使われることがあります。


○まとめ

頻度は少ないものの、漢方薬にも副作用のリスクはあります。成分によっては心臓を刺激したり、むくみや高血圧、筋肉痛、発疹ほっしん、肝障害などの副作用が出たりするものもあるため注意が必要です。

そのため、漢方薬で治療を行いたい場合は、しっかりと医師に相談した上で服用しましょう。

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